海外公演    
Overseas tour

2006年 5月20日 タウンズビル / 2日目
会場が見えてきました。少し緊張してきました。

ベニューは、高級リゾートのようなところで、川っぺりに芝生の広場が広がり、向こうに見える丘には邸宅が並んでました。

会場のあちこちを、真っ黒に日焼けしたクルーらが走り回っていました。きびきび動いています。みんな、役割をわかっていて、元気に走り回っています。

ぼくらは、どうしたらいいか、手持ち無沙汰でした。でも、まだ動くときやないです。
しばらくして舞台の設営が済んで、みんなが集まってきました。

真っ黒に日焼けして、Tシャツから出てる腕は筋肉隆々に見えます。みんな、とても笑顔で元気に溢れてました。それがかえって不安になりました。

(うちらお腹ぽっこりの貧弱サラリーマンや。大丈夫かなぁ?)
(うちら何ができるんやろか?)
(溶け込めるのなぁ?)


でも、あれこれ考えてもしょうがないです。関西人のずうずうしさと多少持ち合わせてるユーモア、それと、いつもの『ぶち当たって、砕けて、乗り越えよう』でいこうと決めました。
ここに来て急に、シンシンが笛の練習を始めました。ぼくらには黙って、大木の陰でやっています。
多分、ここに来て急に焦ってきたんでしょう。本人は、こっそり自主練習をしているつもりのようです。

しかし、丸聞こえでした。

♪ピロロ〜、ピピピラ、ピーラ、ピッ、ラ。

「しんしん、練習?」
「えー、聞こえてましたか?もーーーー!
シークレットやったのに〜〜〜」

まるでぼくらが悪かったかのように、ぷんぷん怒ってます。いやいや、めっちゃ丸聞こえやん。

「どこがシークレットやねん!!!」

ぼくらは、"シークレット"という単語に大爆笑でした。

さて、ここベニューの舞台では、ぼくらの出番はありませんでした。芝生の広場でちょっとだけ踊ってみました。

ちんどん屋さんのU-STAGEさんが登場しました。

うわーーーーーーー!七福神や!
七福神!
こんな、オーストラリアのリゾート地に、七福神やで!
向こうからが歩いてくるで!

現地の人より、ぼくらのほうが驚いてました。信じられない光景が、目の前にありました。

ど派手な衣装に度肝を抜かれて、腹の底から笑えるステージでした。
U-STAGEさんは、本当に最高のエンターテイナーです!!!

ホントに、素晴らしいパフォーマンスでした。

U-STAGEさんのおかげで、今日の舞台は大盛り上がりでスタートしました。日豪交流イベントの始まりです。

・オーストラリア人の日舞。
・コスプレのギャル(エヴァンゲリオンの綾波レイ、るろうに剣心)。
・浴衣姿の子供たち。

空手・茶道・書道・折り紙などワークショップがあり、ぼくらも散らばって手伝いました。
舞台では、島唄、三宅太鼓、木遣りり歌、南中ソーラン節を演舞しました。

夜は、オープンシアターを設営しました。プロジェクターにDVDをつないで、日本の映画を上映しました。芝生の上に思い思いに寝転がってもらい、観てもらい、こういうことが日本でも出来ればええなぁと思いました。

外は真っ暗闇。夕食は、
バーベキュー台を使って、みんなで肉を焼いたり、ソーセージを焼いたりしました。
オーストラリアでは、どこの公園やデイキャンプ場でも、バーベキュー台が常設されているそうです。しかもガスが引かれています。なのにタダ!無料!

「なんちゅうサービスや!オーストラリア人には、バーベキューは必須やねんな」

驚きの公共サービスです。

今夜はU-STAGEさんのお別れ会です。ホテル前のクラブに入りました。U-STAGEさんたちと、いっぱいしゃべりました。

お開きになって、部屋に戻ったのが3時すぎでした。前夜は機内やったんで、二日ぶりのベッドです。さすがに眠いです。
バッタリと寝ようとしたら、ほそちぃがつぶやきました。

「こんなに、すごいパフォーマンス集団と交代か・・・」

獅子舞メンバー5人が感じてた不安の、核心を突いてます。うちらは、普通のサラリーマンです。しかしツアー前半のU-STAGEさんはプロ。ツアー後半をうちらが、その後を担う訳ですが、
「うお〜、荷が重過ぎる〜!」です。

昼間のイベント、宴会の盛り上がり、それらを目の当たりにしてぼくらは相当プレッシャーを感じました。

ぼくらは何ができるか?
どうやって獅子舞を見せていくか?
何が課題か?

ほそちぃとの話しは尽きず「今の獅子舞に必要なのは・・・」と、獅子舞部の将来像まで話しは及んできて、とうとうエンドレスになってきました。

ところが、ほそちぃが「そしたらあれはどうする?」と言ったきり寝てしまいました。あれって何〜〜〜?

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